2022.06.28

色彩構成のコツ!
デザイン科の強化課題!

今年度がスタートしてから早くも3カ月。受験生は美大入試で求められてくることの全体が見えてきていることでしょう。
そして同時に自己レベルと大学合格レベルにギャップを感じることとなり、今まで以上に向上心を持ち始める時期でもあります。

そこで7月は、一歩踏み込んだ学習を行う強化月間!

色彩構成のコツの一つ「色と明度と形を繋ぐ」を学習します。
そこで以下の課題。(写真参照)

【必要画材】
B3サイズ、ケント紙、アクリルガッシュ、鉛筆
【課題】
5明度5色相で写真表現を行う。
【手順】
①各自が用意した写真のコピーと同じサイズの画面枠を描く。
②画面の右側に4×20cm枠をつくり、一辺4cmの正方形5個で区切る。
③基調色を決定し、5段階明度のどの位置になるかを確認して塗る。 
④その他の4段階明度の色を決定する。
⑤その他の4段階の色は、基調色に対して、配合色/強調色/決定色(→※)+補助色として考える。
⑥写真を転写し上記で決定した5色のみの平塗りで仕上げる。

【基調色】
全体のイメージを決めるベースの色のこと。基調色は配色される色のなかで、最も面積が大きい。
【配合色】
一般的には基調色に対して、あとから合わせる色のこと。また基調色のイメージを決定付けるものでもある。配合色は全体に占める面積の20%~40%程度が一般的。
【強調色】
全体を引き締める役割。その意味で基調色と色相差をつけたり、トーン差をつける。全体の面積は~10%程度がふつう。
【決定色】
さらに強調色を追加。最後に全体の印象を決定づける。かなり小さめな面積1~2%程度です。

・基調色の考え方とは別に、主張色というものもあります。ドミナントとは、「支配的な」「優勢な」という意味。同一色相で統一感をだした配色法のことです。暖色や寒色のように一つの支配的な色相で全体を整え、色味のイメージを前面に打ち出す配色方法です。


◎秩序ある彩色で明解な画像を作り出し、形の安定が説得力のある作品をつくることを実感するための課題です。

(作品は多摩美術大学グラフィックデザインへ合格した生徒の作品です。)
2022.06.22

新任講師のご紹介

○馬場 健一先生○
大変優しい感じの先生です。宜しくお願いします!!
アニメーター、デザイナー、映像、イラストをやってこられましたので、絵画指導はお任せください!!
・主な作品
機動戦士ガンダム、ルパン三世、銀河鉄道999、ドカベン、星の王子様、ガッチャマン、ザ・ウルトラマン、赤毛のアンなどのアニメ作品。おもちゃ、工業デザイン、化粧品、芸能関係のデザイン。
2022.06.22

TVロケ

6/6(月)にテレビ朝日のロケがありました。

当校絵画技法講師の吉川 聡先生と高橋 亮馬先生がラピスラズリからフェルメールブルー(天然ウルトラマリン)を再現して、模写をする内容です。
世界の絵具メーカーや美術館・美術大学・保存修復機関とお仕事をされているお二人の技術は、大変見る価値がありました。

しかし、一昨日に「顔料があまりに綺麗に撮影できてしまったため…、模写のシーンがVTRに入れ込めておりません」と連絡がありました。美術学校なのに絵画制作シーンがカット????。
恐るべしフェルメールブルー。皆、色の魔法にかかってしまったのでしょうか?
それとも、You Tubeで絵画制作プロセスが沢山見れるので、価値を見いだせなくなったのでしょうか?
そんな一日でした。

2022年6/30(木)夜8時からテレビ朝日の林 修先生の番組で放映される予定です。
数分程度ですが、興味がある方はご覧くださいませ。

※番組に関係する先生のグッズも通販で購入できます。
クサカベ絵具・奈良俵屋工房・絵具屋三吉・ウエマツ画材店・喜屋など
※番組で制作された現物は、奈良俵屋工房様が限定販売しております。
https://naratawarayakobo.raku-uru.jp/item-detail/1182160
※専門家の方へ・・・精製と抽出作業は、番組の性質上省略されていますのでご承知ください。
2022.05.30

一般絵画教室のモチーフはミケランジェロ特集!

一般教室では、2か月毎に石膏像2種と静物2種のモチーフが組み替えられます。
5月、6月のモチーフでしたので、あと1か月間のセットです。

石膏像はメディチとブルータス。
そして静物モチーフにもメディチ像が組み込まれています。
今回のセット担当が狙ったのか?ミケランジェロ特集!

因みにミケランジェロは、イタリア盛期ルネサンス期の彫刻家、画家、建築家、詩人、社会活動家で、西洋美術史上のあらゆる分野に、大きな影響を与えた芸術家です。
そのミケランジェロ作のメディチ像を紹介しましょう。
(同じくセットされている、ミケランジェロ作のブルータス像の紹介はそのうちまた☆)

写真左の人がヌムール公ジュリアーノ・デ・メディチ。(1479年3月12日~1516年3月17)
石膏像メディチの原型です。
そして写真右はウルビーノ公ロレンツォ・デ・メディチ。(1492年9月12日~1519年5月4日)

ジュリアーノは37歳の若さで、ロレンツォは26歳で亡くなっています。
若くして没した二人を悼んでそれぞれの兄であり叔父にあたるローマ教皇レオ10世は、彼らの墓廟の制作をミケランジェロへ依頼したそう。
この二人の像はメディチ家礼拝堂(フィレンツェのサン・ロレンツォ聖堂に付属する、「新聖具室」と「君主の礼拝堂」と呼ばれる2棟の建物の総称)にあるのですが、この新聖具室の設計、ジュリアーノとロレンツォの彫刻、新聖具室に葬られるメディチ家の主要な一族の霊廟のための彫刻群をつくりました。

因みにミケランジェロの最高傑作の一つの「新聖具室」と対を成す形となっている「旧聖具室」はブルネレスキとドナテッロによるもの。
ドナテッロは石膏像になっているジョルジョやガッタメラータを作った人ですね。
美大受験生には御馴染の人達です。

石膏デッサンは人物の構造学習や、陰影法の学習に最適です。
しかし石膏像をデッサン教材としてだけで見るには勿体ない!
偉大な美術家が作ったその時代を感じて歴史もデッサンしてくださいね。
追及する楽しさが違ってきます。
2022.04.26

美大受験本番に向けて。

2022年度がスタートして1か月が経とうとしています。
新生活に慣れてきたころでしょうか。

そこで美大受験科では入試本番に向けて本腰を入れるべく、早々に模擬試験を行います。
内容は、実技「鉛筆デッサン(12h)」と学科「英語(1h)」「国語(1h)」の3科目。

模擬試験は、『自力でどこまで出来るかを知る』『点数評価から自己レベルの確認をする』『試験に慣れる』が目的で、今後のレベルアップに役立てていくものです。
そして重要なのは、その後に行われる講評会。
自分の作品を客観的に見て、試験で何が求められているのかを知り、美大の合格レベルに達するための原動力にしてください。

春先の試験なので、結果に一喜一憂しないでくださいね。
デッサンの描き方を学ぶことが大切です。

入試の本番はまだまだ先。
まずは一歩前進!

がんばれ受験生!
2022.04.04

膠の湯煎

日本画を描かれている生徒様のために膠を湯煎しているのですが、先生によって出来がマチマチ。
そこで専用の湯煎機購入を考えたのですが、そこまで大量には使わない。

でも丁度良く安いのがあったのです!!
哺乳瓶を温めるやつ。コップ2杯分。埃カバー付。それも4249円!!

多分、皆知っているのかもしれないですが、私は感動しました。
良い一日でした。
2022.03.31

春ですね。

写真はアトリエヴィーナスのある地域の氏神神社の深見神社。
雄略天皇22年(478年)3月に創祭とある由緒ある神社です。(総国風土記による)
ここの桜は今年も綺麗に花を咲かせていますね。
そして桜を咲かせた受験生は今春から大学生!
おめでとうございます!!
これから大きな樹に育っていってくださいね。

アトリエヴィーナスの講師全員、応援しています!

只今春期講習会の真っ最中!
来年度の受験生を心機一転、また新たな開花に向けてしっかりと育てていきます。

宜しくお願い致します。
2022.03.01

ロボット掃除機

アトリエは、汚すところでもあるので掃除が大変!!
数年前からルンバを導入しましたが、古くなったため故障が続き、泣く泣く交換することになりました。しかし、各階に1台は出費が....。汗

そこで試しに中華製。同じ機能のルンバの3分の1価格。後ろの機器でゴミも回収してくれる優れもの。
凄いすごい。ワンフロア―100畳以上あるのに楽勝!!

進化に驚ろいた一日でした。
2022.02.28

一般絵画教室3~4月のモチーフは『精霊と詩人』

一般教室のモチーフ描画室では2ケ月毎にモチーフが組み替えられます。
内容は2種の静物モチーフと2種の石膏像で、今回の石膏像は精霊と詩人の御二人。

【一人目】
精霊のファウンのトルソさん
正式名「ガッディのトルソ」(フィレンツェのガッディ家が所有していたからだそうですが現実的なネーミングですね…)
制作年は紀元前2世紀頃、出土地はローマ。
ギリシャ神話に登場する半人半獣の精霊「ファウン」であると分析されていましたが、近年の研究では「ケンタウロス」であるとする説が有力だそうな。
ダイナミックに躍動する肉体、洗練された筋肉の表現はルネッサンス期の芸術家に多大な影響を与えたそうです。
写真②は、このトルソからの影響が見て取れるとされるロッソ・フィオレンティーノの「死せるキリストと天使 」のキリストの体、そして③のケンタウロスのトルソ。
石膏像「ファウンのトルソ」を描いて筋肉フェチになろう☆彡

【二人目】
詩人のホーマーさん(英語読み)
正式名「ホメロス」
紀元前800~750年頃の人だとか。
出身地の詳細は判っていないそうですが、古代ギリシャの伝説の大詩人で最古の叙事詩人。
(そんな人だとはつゆ知らず、私が受験生の頃は森繁久彌と呼んでいました。今の若い子たちは森繁久彌も知らないか…)
古代西洋文学最初期の2つの作品、『イーリアス』と『オデュッセイア』の作者と考えられていて、多くの芸術家に影響を与えているそうな。
新古典主義の代表的な画家アングルが描いた『ホメロス礼讃』(写真⑥)は勝利の女神に祝福されるホメロスを頂点とし、46人の芸術家を描いた作品。
ダンテやモリエール、ラファエロ、ミケランジェロ、モーツァルトなどもいます。どの人が誰だか判りますか?
ホーマーさん、凄い人だったのですね。ただの爺さんじゃなかった…ごめんなさい。


◎一般絵画教室ではモチーフがセットされた部屋の他に、自由な題材を自由な画面サイズ(200号まで)で描ける部屋と、机をつかって小さな作品を描く部屋があります。
絵を描くのが初めての方へは基礎から指導、公募展に出品されたり個展を開催されるような方であればプロレベルのアドバイスなど、個性を活かした指導を行っております。
それぞれの目的でお楽しみください!
2022.01.31

デッサン構図解説!

美大受験・美高受験において、配布モチーフを自分で机上に組んで描く課題は多く出題されます。構図の良さは作品の印象が良い上に、描写の手数も自然と増えて完成度が高まりやすいです。それに対してバランスの崩れた構図は、描けば書くほどその悪さが強調されるため、描き込んでも良い方向に向いていかず、その結果密度は高まらない…
怖いですね…

そこで入試直前 構図解説!

構図とは、画面枠内を如何にモチーフで満たすか。
そのポイントは【真ん中・大きく・縦横】になります。

【真ん中】モチーフの塊は画面中央に配置しましょう!
【大きく】なるべく大きく入れましょう!(受験のデッサン課題では)
【縦横】モチーフの縦横の比率に合わせて画面の向きを合わせましょう!

いよいよ入試が始まります。
頑張れ!受験生!