2023.10.19

美大模試 悲喜こもごも

酷暑だった夏がようやっと終わり、涼しく気持ちの良い季節になってきました。
…と同時に見えてくるのは入試本番。
そんな初秋に模擬試験がありました。
今回の試験内容は実技(鉛筆デッサン)と学科(英語・国語)の合計3科目。
それぞれの科目は採点されて成績表になり、生徒へ渡されます。
その内容を見て、肩を落とす生徒、嬉しそうな生徒、更に奮起する生徒など悲喜こもごも。
様々な反応が見られる模擬試験ですが、結果に一喜一憂することなく、現実と向き合って前向きに取り組んでくださいね。

次の模試は11月 !
藝大(デザイン科/油絵科)、私大(各科、専攻)に沿った試験内容となります。

頑張れ受験生☆


※冒頭画像は今回の模擬試験の秀作2点
(デザイン工芸科の高校3年生の作品と油絵科の浪人生の作品)
 及び講師からの評価コメント。
 以下はその課題内容。 
 【課題】『 顔 』をテーマに発想して描きなさい。
 【条件】自分の手は必ずモチーフとして使用し、その他の要素は自由。
 【画材】木炭紙判画用紙、鉛筆デッサン用具
2023.09.19

新任講師のご紹介

○杵渕 晃也先生○

今年の東京藝術大学油画を現役合格された優秀な方です。
「それがどうしたの?」と思うかもしれませんが、藝大油画の現役は本当に少ししかいません。超難関なのです。
現役には現役の、少人数制には少人数制の攻略法があります。杵渕先生にお任せください!!
10月3日から着任です。楽しみにしていてください。
2023.09.13

アトリエヴィーナス講師の展覧会案内☆


講師の清野融は木を彫りそこへ描画を施す作品を作る現代アート作家です。
今回の展覧会は書家の田坂州代とのコラボレーション展。
それぞれの個性的な作品世界に浸りつつも、ジャンルの違う2人の表現の
相乗効果から作り出される空間もまた楽しみな展覧会です。

大山現代の美術館 
2023年9月23日(土)~2024年1月21日(日)迄

大山現代の美術館は伊勢原市の大山にあります。
江戸時代から続く大山詣で宿坊として使われていた古民家を、現代美術作家の原栄三郎さんと
初代当主が2階を美術館、1階を豆腐懐石料理・ジビエ料理が楽しめる夢心亭として改築した、
趣ある空間となっています。自然豊かな丹沢大山とアートと食事をお楽しみください。
2023.08.28

実は凄い石膏像。

それは一般絵画教室の9月10月にセットモチーフとして用意される石膏像の
ギリシャヴィーナス。(正式名はクニドスのアフロディテ)

絵画教材の石膏像の中では比較的小さな胸像で、しかも顔も髪型もとても地味。
この脇役的な存在にしか思えない石膏像の何が凄いのかというと…

”古代ギリシャ史上初”だった!! 

紀元前350年頃、彫刻家のプラクシテレスはコス島の市民から女神アフロディテ像の制作依頼を受けて着衣像と裸像の2つを作ったのですが、コス島の市民は裸像の姿に驚き、受け取りを拒否して着衣像だけを購入。
その受け取りを拒否された裸像はクニドスの市民が購入して屋外の神殿に設置すると、瞬く間に大人気になったそうです。

今となっては女性の裸体の彫刻や絵画は美の象徴として普通に存在していますが、当時の古代ギリシャでは女性の彫刻は全て着衣の状態で制作されていたことから、等身大の女性の裸体像の登場は、かなりのセンセーショナルなことだったようです。

美術界に限らずですが『史上初』を試みて歴史に名を残す人物は、
「揺るぎない信念を持っている人」 か 「世紀の天才」 か 「変人」 かのどれか ☆

彫刻家プラクシテレスがどれに当てはまるのか、または全てに当てはまっていたのかは判りませんが、アーティストの鏡であることは確かで、その証拠としてカッパーヴィーナスやミロのヴィーナスも彼の作った「アフロディテ像」からの着想と言われているように数々の芸術家に影響を与えていったようです。
時代の先駆者の後ろにはちゃんと道が出来るのですね。

因みに藝大デザイン科の石膏デッサン入試には欠かせない、 『ヘルメス』 もプラクシテレスの作品。
そう考えると美大へ入学した人や今石膏像を描いている人も、古代ギリシャの彫刻家である彼の影響を少なからずとも受けているということで、道は続いています!


一般絵画教室のモチーフセットの部屋の9月10月は、ギリシャヴィーナスの他、難易度の違う静物モチーフが3種用意されます。
また150号まで制作出来る大部屋、机上作業が出来る部屋がありますので、それぞれの目的に合わせてご利用ください。
2023.08.23

8/25(金)で夏期講習会が終了いたします。

精一杯頑張った夏期講習会でしたが、明後日で終了いたします。
大変成長した生徒さんが多かったと思います。
一日9時間制作の方もいて、頭が下がりました。
若いってすごい!! 偉い!!

9/1(金)から二学期が始まります。
それまで、しっかりと学科の勉強をしましょう。
2023.08.22

スイッチボット(Switch Bot)

アトリエのあらゆるところに付いているスイッチボット。在校生は見たことがありますよね。
これが優れもの!もう数年は使っています。

時間が来るとスイッチをパッチン。
帰りも真っ暗にしないで、帰った後にパッチン。怖くない♡
朝もパッチン、帰りもパッチン。とても便利。
時々、電池を替えれば機嫌よく働いてくれます。
毎日ありがとう。
2023.07.21

おススメ絵具2回目 べルデグリ

絵画技法講師の吉川 聡です。

非常に美しい緑青色 べルデグリのご紹介です。
古い時代からある人工顔料のひとつです。
銅板を酸等により腐食させて作ります。正式には酢酸銅または塩基性酢酸銅と言います。
ケースの底に酢または酸化した葡萄酒などを入れ、銅板を置いて蓋をし、酸性の気体に晒していると、銅板上に緑青が発生します。
昔の人はいろいろと考えますよね~。

いにしえの緑青はいかがでしょうか!!
2023.07.20

デザイン科受験生にお勧め☆ 展覧会情報!

何かとイメージ優先の現代において、デザインの良し悪しが商品の価値を決定すると言っても過言ではないくらい、デザイナーの存在は大きくなっています。

今でこそデザインは職業として成り立っていますが、その昔は画家がアルバイト的にポスター制作や舞台美術などを担当することが通例で、ロートレックやミュシャなど多くの画家が手掛けた、挿絵や劇場用宣伝ポスターは、今でも展覧会で目にすることができますね。

要するにデザインは、ファインアートにある創造性と美意識に『情報』を加えることで存立するものであるため、現在における美大のデザイン科入試でも、
『デッサン/色彩/立体=ファインアート』の表現力が求められているのです。

デッサンや色彩構成(平面構成)は油絵や日本画の巨匠から、
立体構成や空間構成は彫刻やインスタレーションの巨匠から学んで、

美大に合格する近道=王道を進みましょう!

そこで今回お勧めする展覧会は、ファインアート系!


↓↓↓ おすすめ展覧会はこちら ↓↓↓


➊絵画、ドローイング、版画、写真、舞台芸術といった分野で多彩な作品を発表し続けてきた現代で最も革新的な画家のひとり。
『デイヴィッド・ホックニー展』
東京都現代美術館
2023年7月15日(土)~11月5日(日)
https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/hockney/index.html


➋「未完の聖堂」と言われながら、完成が視野に収まってきたサグラダ・ファミリア。ガウディの建築思想と造形原理を読み解いています。
『ガウディとサグラダ・ファミリア展』
東京国立近代美術館
2023年6月13日(火)~9月10日(日)
https://gaudi2023-24.jp/


➌印象派を起点としてフォーヴィスムやキュビスムが生まれ、抽象絵画へ到達したことが実感できる展覧会。
『ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開 セザンヌ、フォーヴィスム、キュビスムから現代へ』
アーティゾン美術館
2023年6月3日(土)~8月20日(日)
https://www.artizon.museum/exhibition_sp/abstraction/


➍純粋な色彩によるフォーヴィスムを生みだし、モダンアートの誕生に決定的な役割を果たしたマティス。今なお芸術家たちにも大きな影響を与え続けています。
『マティス展』
東京都美術館
2023年4月27日(木)~8月20日(日)
https://matisse2023.exhibit.jp/
2023.06.26

一般絵画教室 入学金無料キャンペーン

6/26~9/1までに一般絵画教室をお申込みになった方は、入学金が無料になります。
この機会に新しい趣味を始めませんか?
事前に体験教室を3時間おこなえます!!
2023.06.20

上達の秘訣とは⁉

1学期も後半戦です。

4月5月と基礎を積み重ねてきた生徒の作品は、
梅雨時の植物のようにグングンと成長しています。
これは講師からの客観的な目線。

しかし生徒からは 「自分は上達していないのではないか?」といった
言葉が聞こえてきたりします。

これは中級レベルになりたての生徒によくある「思い込みの壁」

例えば初心者のAさんは2歩先を目指して2歩進めて大満足。
中級者のBさんは10歩先を目指して5歩しか進めず悔しさでいっぱい。

といった具合に、初心者は完成イメージが低いため、絵を描く行為や出来た作品自体に満足するのに対して、中級者の場合は理想とする作品イメージ(大学合格レベル)を持ち始めていても技術は未熟なため、「思ったところまで描けない→上達していない」と考えてしまうことが多々あるようです。

中級者Bさんのような場合、理想と現実のギャップはあるとしても結果としては大きく前進出来ているので、上達していないと感じる「思い込みの壁」は正に錯覚といえます。

結局のところ上達の秘訣は、「高い理想を持って描き続ける。」

 一般的な答えでした…
 

でも、高い理想(高い完成度)を簡単に体感出来る課題があります!

それが『写真模写』
これで平面構成とデッサンのレベルアップ間違いなし!


【写真模写から得られること。】      
  完璧に描き切った満足感がある。
  高密度の作品に仕上げる目標づくりになる。
  癖の無い描写になる。
  色幅を広げる訓練になる。

【模写の段取り】
 ①写真を選択
 <選び方のポイント>
 ・被写体は何でもよいが、フォルムの分かりやすいものが望ましい。
  ~細部までピントの合ったものを選びましょう。
   (データが小さいものは避けましょう。)
  ~陰影が見やすい写真を選びましょう。
  ~サイズはB5サイズ(18cm×25cm)程度が良い。
 
 ②画用紙に転写
  ~画用紙に写真サイズと同サイズの画面枠をつくる。
  ~写真を白黒コピーする。
  ~コピーの裏面を4Bくらいの濃い鉛筆でムラ無く塗る。
   カーボン紙を使うとコピー紙とカーボン紙の厚み分のズレが転写線に出てしまった
    り、カーボンの線と鉛筆のトーンの差が出たり、絵の具は弾いてしまう場合がある。
  ~コピーを画面枠に合わせてマスキングテープで止め、硬目の鉛筆を使って表から形を
   なぞって転写する。
  ~コピーを剥す。
 ③写真を見て転写線の上から模写する。
 ④写真と同じになるまで描いたら完成。

 ※画像は生徒作品です。

実技力の上達は どんな人でも制作量と時間の積み重ね以外にありませんが、的を射た課題 と学習で最短コースを進むことができます☆
デザイン工芸科では、工夫を凝らした上達メニューで美大合格へ導いています!