2024.06.27
今回の石膏像はイタリアの猫ちゃん

名前はエラズモ・ダ・ナルニ
通称ガッタメラータ
ガッタメラータとは、イタリア語で「あまったれ猫ちゃん」「お愛想猫」「まだら猫」の意味を持ち、英語に直すとThe Honey Catだそう♡
画像①はイタリア パドバの聖アントニオ大聖堂前広場にある、
『ガッタメラータ将軍騎馬像(Equestrian Statue of Gattamelata)』。
ブロンズ彫刻です。
威厳のある騎馬像にもなってしまうような15世紀イタリアの偉い人が、なぜ猫?
猫ちゃんこと、エラズモ・ダ・ナルニは1370年にパン屋の息子として生まれます。
父はパオロ・ダ・ナルニ、母はメラニア・ガッテッリ。
軍人学校を卒業した後、フィレンツェ教皇庁に仕え、ヴェネツィア共和国の下級司令官となってからはヴィスコンティ家からヴェネツィアを防衛したりヴェローナの征服に成功するなど活躍し、ヴェネツィア軍の総司令官まで出世して1443年に亡くなっています。
イタリアがまだ一つの国家の形態になっていなかった時代のお話ですね。
そんな偉い人だったとはつゆ知らず、私が受験生の頃に美大受験予備校にあるガッタメラータの石膏像(画像②)を初めて見て思ったことといえば、
「おでこの禿げ上がったオジサンが女性の胸のある甲冑を着ていやがる。…キモイ。」
「ただでさえ顔を描くの難しいのにもう一つ変な顔がついていやがる。…ど根性ガエルかよ。」
でした…
でもそんな第一印象は藝大の学園祭『藝祭』に行って一転☆
絵画塔地下にある大石膏像室(画像③)にあった、台座を含めて高さ5m位のガッタメラータ騎馬像を見てあまりの迫力に衝撃を受けて大好きな石膏像に昇格。
それを機に石膏デッサンが上手く描けるようになって藝大デザイン科ヘ受かりましたとさ…めでたしめでたし。
…昔話でした。
どんなモチーフであっても、まずは興味を持つこと。
「かっこいい!」「かわいい!」「美しい!」と心動けば、あるいは自ら心を動かせばそう描きたいと思うもので、更にその念が強ければ人に感動を与える絵を描くことができるようになるのです。
因みにこの像をつくった人はドナテッロ。聖ジョルジョを作った人ですね。
以前このブログの聖ジョルジョの記事でも紹介しましたが、ルネッサンス芸術に多大な影響を残した凄い彫刻家。
そんな凄い彫刻を一般絵画教室で7月8月に描きます。
そしてやはり気になるのは、将軍様がなぜこんな可愛らしいあだ名になったのかについてですが、一説には母親の名前メラニア・ガッテッリのアナグラム(※)だと言われています。
※アナグラムとは、言葉遊びの一つで、単語または文の中の文字をいくつか入れ替えることによって、全く別の意味にさせる遊びのこと。
Melania Gattelli → Gattamelata
母の名前の文字遊びで「あまったれ猫ちゃん」としたウィットに富んだ通称は、「どんなに偉い人でも、お母ちゃん!お母ちゃん!と言っている時代があったもんだよね。」と下級兵士が将軍様へ持つ畏敬の念を親密さに置き換えて付けたあだ名なのか、はたまたガッタメラータの上官だった人が、成長著しい青年エラズモ・ダ・ナルニを可愛がって付けたあだ名なのかも…などと妄想は膨らみますが、いずれにせよきっと人柄の良い将軍だったのでしょう。
愛情を感じてほっこりします。
通称ガッタメラータ
ガッタメラータとは、イタリア語で「あまったれ猫ちゃん」「お愛想猫」「まだら猫」の意味を持ち、英語に直すとThe Honey Catだそう♡
画像①はイタリア パドバの聖アントニオ大聖堂前広場にある、
『ガッタメラータ将軍騎馬像(Equestrian Statue of Gattamelata)』。
ブロンズ彫刻です。
威厳のある騎馬像にもなってしまうような15世紀イタリアの偉い人が、なぜ猫?
猫ちゃんこと、エラズモ・ダ・ナルニは1370年にパン屋の息子として生まれます。
父はパオロ・ダ・ナルニ、母はメラニア・ガッテッリ。
軍人学校を卒業した後、フィレンツェ教皇庁に仕え、ヴェネツィア共和国の下級司令官となってからはヴィスコンティ家からヴェネツィアを防衛したりヴェローナの征服に成功するなど活躍し、ヴェネツィア軍の総司令官まで出世して1443年に亡くなっています。
イタリアがまだ一つの国家の形態になっていなかった時代のお話ですね。
そんな偉い人だったとはつゆ知らず、私が受験生の頃に美大受験予備校にあるガッタメラータの石膏像(画像②)を初めて見て思ったことといえば、
「おでこの禿げ上がったオジサンが女性の胸のある甲冑を着ていやがる。…キモイ。」
「ただでさえ顔を描くの難しいのにもう一つ変な顔がついていやがる。…ど根性ガエルかよ。」
でした…
でもそんな第一印象は藝大の学園祭『藝祭』に行って一転☆
絵画塔地下にある大石膏像室(画像③)にあった、台座を含めて高さ5m位のガッタメラータ騎馬像を見てあまりの迫力に衝撃を受けて大好きな石膏像に昇格。
それを機に石膏デッサンが上手く描けるようになって藝大デザイン科ヘ受かりましたとさ…めでたしめでたし。
…昔話でした。
どんなモチーフであっても、まずは興味を持つこと。
「かっこいい!」「かわいい!」「美しい!」と心動けば、あるいは自ら心を動かせばそう描きたいと思うもので、更にその念が強ければ人に感動を与える絵を描くことができるようになるのです。
因みにこの像をつくった人はドナテッロ。聖ジョルジョを作った人ですね。
以前このブログの聖ジョルジョの記事でも紹介しましたが、ルネッサンス芸術に多大な影響を残した凄い彫刻家。
そんな凄い彫刻を一般絵画教室で7月8月に描きます。
そしてやはり気になるのは、将軍様がなぜこんな可愛らしいあだ名になったのかについてですが、一説には母親の名前メラニア・ガッテッリのアナグラム(※)だと言われています。
※アナグラムとは、言葉遊びの一つで、単語または文の中の文字をいくつか入れ替えることによって、全く別の意味にさせる遊びのこと。
Melania Gattelli → Gattamelata
母の名前の文字遊びで「あまったれ猫ちゃん」としたウィットに富んだ通称は、「どんなに偉い人でも、お母ちゃん!お母ちゃん!と言っている時代があったもんだよね。」と下級兵士が将軍様へ持つ畏敬の念を親密さに置き換えて付けたあだ名なのか、はたまたガッタメラータの上官だった人が、成長著しい青年エラズモ・ダ・ナルニを可愛がって付けたあだ名なのかも…などと妄想は膨らみますが、いずれにせよきっと人柄の良い将軍だったのでしょう。
愛情を感じてほっこりします。