2021.10.25

一般絵画教室11.12月のモチーフは キリストのお父さん。

2ケ月毎に組み替えられる一般教室の4種のモチーフ。
その内の1つのモチーフがキリストのお父さん 。
→ 聖ヨセフ(Joseph)、英語読みでジョセフ。そう石膏像のジョセフです。
原型の彫刻はパリのランス・ノートルダム大聖堂にあるのですが、ここは大小2000体もの彫刻が壁面に埋め込まれているフランスゴシック様式の建築。
信者にとっては大切な教会、芸術家にとっては彫刻と絵画の集合体で鳥肌ものの芸術空間なのです。
しかし2019年に起きた火災で塔が崩れ落ちる映像を見たときはショッキングでしたね…
フランス人の心の拠り所でもあった大聖堂、速く修復されることを願いましょう。

さて石膏像のジョセフさん。そして多くの石膏像は美術教材として描きやすいサイズにトリミングされていることが多いのですが、リアルな表現には全身の形や動きを理解することが重要です。
そこで画像を確認!
大聖堂の入り口周りに彫刻群がありますね。これはキリスト誕生にまつわるお話を表しているそうです。
(この時代の人たちの多くは読み書きができなかったことから、宗教の普及活動は絵や彫刻を使っていました。)
なにやら左手に持っていますね。これはどうやら鳩を入れた器だそう…鳩??
これは神殿奉献の場面とのこと。
神殿奉献とは「最初に生まれた男の子を神の生贄に捧げる代わりにお金を献じて子供の命を神から買い戻す儀式」で、暮らしが裕福でなかったヨセフとマリアは2羽の鳩を持って訪れたのだとさ。
右手のポーズは左手に持った鳩が逃げ出さないように抑えているそうで、立派な骨格は職業が大工だったから。
そして特徴的な帽子はユダヤ人のあかし、石膏像の背中についている謎の背もたれは建物の柱。
このときジョセフは80歳。因みに奥さんのマリアは14歳。
なんだかいろんな意味で凄いですね。

クリスマスをまたがる制作期間です。
神聖なイメージでジョセフをデッサンしましょう☆

◎一般絵画教室ではモチーフがセットされた部屋の他に、自由な題材を自由な画面サイズ(200号まで)で描ける部屋と、机をつかって小さな作品を描く部屋があります。
初めて絵を描く方へは基礎から指導、公募展に出品されたり個展を開催されるような方であればプロレベルのアドバイスなど、個性を活かした指導を行っております。
それぞれの目的でお楽しみください。
2021.10.06

模擬試験がありました。

今年度2回目の模擬試験が9月にありました。
春の模試と同様に実技(鉛筆デッサン)、学科(英語・国語)の3科目でしたが、やはり夏期講習会を頑張り、経験を積み重ねてきた成果の見える作品が多い試験となりました。
その中から秀作2点のコメントと評価を紹介しましょう。

左-昼間部生Aさんの作品
画面の水と手のポーズは、想像した世界に入り切れているからこそつくれる素晴らしい構図です。しかし画面全面への描き込みが単調なことから、グレーに染まってしまっています。明度対比を利用して水の煌めきや透明感を表し、澱みのない印象の画面にできると良かったでしょう。また課題条件にある「50文字以内の言葉」は、もっと積極的に自己表現の要素として活用できると良かったのですが、あえて少ない文字数にしたのであれば、その一言でインパクトを与えられるようなレイアウトにすると意味のあるものとなったでしょう。尚、レタリングの良し悪しで作品イメージが決定してしまいます。上手くできるように練習をしましょう。

右-夜間部生Bさんの作品
見る人をわくわくさせる狙いと仕掛けで面白く楽しい作品に仕上げられました。文字の扱いなんて最高に面白いですね!制作者自身が心躍らせながら作画しているように思える作品は、出題者や採点者もうれしくなってくるものです。しかしその発想を形にするための表現力は少し物足りないのが実際。細部の描写密度を高めてハーフトーンの範囲を増やして形を繋げ、質幅を広げたアプローチで存在感のあるデッサンに仕上げていけるとよかったでしょう。またマニキュアが塗られた爪は今回の世界観を演出する上で役立っているようですが、黒塗りだからなのか指の向きや立体感が表現できていないのは問題。受験生はおしゃれをしたい年頃。でもマニキュアやネイルアートや長い爪は入試課題によって不利になることがありますので、ちゃんと切りそろえた普通の爪にしておいた方が良いでしょう。
 
作品写真の下にある表は、作品の総合評価と項目評価についてA~Eのランキングです。
例えばフィギュアスケートの採点方法ではジャンプ~何点、着地~何点、スピン~何点など、様々な項目の合計点で順位が出るように、入試絵画の採点も様々な項目の評価から総合評価が出ます。
たまに絵を学んだことのない人から「絵は雰囲気が良ければいいんでしょ?」的な言動を耳にすることもありますが、そんなに甘くないのが現実。
専門的な指導で絵画の基礎を学び、経験を積み重ねていくことが美大合格の道を作っていくのです。

次の模擬試験は11月。
実技2科目、学科2科目です。
頑張れ!受験生!
2021.09.29

YAMATOイラストレーションデザインコンペ

大和市主催のYAMATOイラストレーションデザインコンペが開催されます。
テーマは「笑」
今年でもう11回目なんですね。
生徒の皆さんも是非、ご参加ください。
審査員は、及川正通先生、伊藤桂司先生、江上隆夫先生、小林覚先生です。
お問い合わせは。大和市文化スポーツ部 文化振興課(文化振興係)TEL046-260-5222まで!!
2021.09.02

アトリエ ラピス 展覧会

展覧会情報です!!
専門的な古典技法を指導されているお教室です。
お近くへよられた時は是非ご高覧ください。
2021.08.25

来月の一般教室は『農耕の神』がモチーフ☆

2ケ月毎に組み替えられる一般教室のモチーフ4種は9月から新しくなります。
そのうちの1つは農耕の神である石膏像。

それは写真の『マルス』です。

写真①はアトリエの石膏像
写真②はルーブル美術館にある本物。

そこで『マルス』を少しだけ紹介したいと思います。

名称 ボルゲーゼのアレス
   ギリシア神話では「アレス」、ローマ神話では「マールス」、英語読みでは「マーズ」、日本では「マルス」。
原作 紀元前430年ころ(ローマ時代)
材質 大理石
高さ 212cm
出土 ローマ
所蔵 ルーブル美術館
父親 ゼウス
母親 ヘラ
双子の妹 エリス(闘争と不和の女神)


一般的には軍神として知られているマールス。
3月の神ともいわれています。
なぜ3月の神かというと、戦争の多かったローマ時代に軍隊を動かすには良い気候だったからとか。
そしてこの時期は農耕の始まる季節でもあったことから農耕民族のローマ人はマールスを農耕神(草木の精霊)として祭っていたようです。
元はといえばギリシャ神話からなのですが、他にはインド・ヨーロッパの神話学からマールスは三機能イデオロギーの第二機能(戦闘)を担っていたと考えられていることから軍神として理解されるようになった説があったり、
エトルリア人に崇拝された神マリスを原型としているともいわれていたり。
またマールスは天体の火星とも同一視されていて、スペイン語では火曜日を「martes」と呼び、「軍神マルスの日」を意味する語とのこと。
さらに男性の性別記号「♂」の本来はマールスを意味する記号だとのこと。

いやいや…なんだか凄いねマールス君。

でもこのマールスの彫刻、軍神でありながらも静かで憂いのある表情。呆然としているような、疲れているような…
戦いだらけのローマ時代に戦いの象徴として勇ましいだけの姿で作らなかったところに古代の彫刻家へ思いを馳せます。


全身像の美しさや彫刻家の表現性など、思い入れを持ってかっこいいデッサンに仕上げてください。
2021.07.29

ミノー油絵具リニューアル

絵画技法講師の吉川 聡です。

クサカベのミノー油絵具がリニューアルしました。専門家がよく使う絵具なのですが、知らない方は多いかもしれません。
お金に余裕があれば、受験生及び美大生にお勧めの絵具です!!

お勧めの一番の理由は、単色顔料で高濃度に練られている事です。
えっ?と思うかもしれませんが、油絵具は価格や色調整のため何色かで調合されていることが多いです。
絵具は混色されるたびに濁るわけですから、最初から混ざっていたら良いわけがありません。
いつも思った色が作れない!!と悩んでいたら是非お試しください。

40mlチューブのみも、「絵に本気の人だけ買ってください」というメッセージが込められているようで好きです。

ちなみに天然4色の顔料は私が作っています。丁寧に作りましたのでお試しください。
天然独特の粒子の粗さがありますので、現在の絵具と混ぜると色が無くなります。
単独か天然同士で混ぜることをお勧めします。
2021.07.26

夏期講習会が始まります!

暑い夏が始まりました!
東京オリンピックでは熱い戦いが始まりました!
そして受験生の夏期講習会は明日から始まります!

現役高校生や美高受験の中学生にとっての夏期講習会は、長時間制作から経験を積み重ねて基礎レベルを一気に引き上げられる大事な期間。
レベルの高い浪人生に惑わされることなく制作していきましょう!

そして浪人生にとっては美大合格クオリティーの作品へ引き上げる期間と考えてください。
秋には弱点を克服し、冬にはコンスタントに合格レベルの作品を描けるようにして入試本番へ突入していくといった流れをつくるためにも夏期講習会で「ここまで仕上げれば合格できる!」の目標をつくりましょう!

同じ受験生でもそれぞれに経験量の違いがあるので、目的意識を持って講習会を過ごしてください。

夏期講習会は前期が明日7月27日から8月5日、後期が8月16日から25日までの長丁場。
体調管理を心掛けて充実した暑く熱い夏を過ごしていきましょう!

※写真は初日の静物デッサンモチーフと受験生を待つイーゼル達 ❤
2021.06.30

デッサンのデモンストレーション

石膏デッサンのデモンストレーションを行いました。
石膏像は聖ジョルジョ。
制作時間は6時間+α。

生徒の視線を背中に感じ、さらに絵の進行の説明をしつつのデモンストレーションですので、通常のデッサンよりも疲れましたが、少しでもそれなりにでも生徒の参考になった感じもあって安心しました。

上の画像は時間ごとに撮影した途中経過と完成作品です。
デッサンの段取りの参考にしてみてください。


①1時間
構図の入れ方に注意して、大きく当たりを付けながら形を探ります。

②2.5時間
モチーフとの印象のズレを修正。
ここまで使用した鉛筆は、ほぼ3Bのみ。
筆圧や当てる角度などの変化で表情に幅を持たせて表現。
この先の描き込みのことを考えて画用紙の目を潰さずに描いています。

③4時間
前半終了(3時間)の段階では、遠目の印象合わせが主体なので、完成作品としての
明瞭な画像にするために強いタッチも使って形にフィットしたトーンにしていきます。

④5時間
全体の強弱に沿わせた描写を進めて最後の詰めへ。

⑤6.5時間
完成!


◎絵を描くポイントは色々とありますが、上達の秘訣はクロッキー力。
 家でのちょっとした時間や日々の課題の制作前にクロッキーする習慣を付けると良いでしょう。
2021.06.30

美術系高校入試対策無料体験講習中止のお知らせ

毎年、7/23~25に行ってきた「美術系高校入試対策無料体験講習」ですが、感染拡大を避けるため中止いたします。
美術系高校対策のきっかけになればと思い、開催してきましたが残念です。
来年こそは、開催したいですね!!
宜しくお願いいたします。
2021.05.26

受験科の模擬試験がありました。

今年度最初の模擬試験です。
科目は実技1科目(静物デッサン)と学科2科目(英語・国語)。

アトリエヴィーナスの受験科では年間3回の模擬試験を行っています。
模擬試験の目的・役割は、『自力でどこまで出来るかを知る』『点数評価から自己レベルの確認をする』『試験に慣れる』です。
通常授業と模擬試験の繰り返しで実力をつけていきます。

そして試験と共に重要なのが、その後の講評会。
講評会は受験者全員の作品を並べ、それを観比べ、個々の作品に対して講師が指導コメントをしていく授業で、自分の作品への指導コメントから学習することは勿論、他者の作品の講評を聞くことにポイントがあります。
他者の作品から自分に無かった視点の発見があったり、問題点の対処法を知ったり、ライバル意識も芽生えたり…
と自己レベルの向上と表現幅を広げていくきっかけになっていきます。

又、講評後に渡される個別の成績表から、全体評価から項目評価などの細かいところまで把握することが出来ます。
 
入試の本番はまだまだ先ですので、模試の結果に一喜一憂することなく今後のレベルアップに役立ててください。

今回の模擬試験、生徒から本番さながらの緊張感と熱意が伝わってきました。

がんばれ受験生!