2022.05.30

一般絵画教室のモチーフはミケランジェロ特集!

一般教室では、2か月毎に石膏像2種と静物2種のモチーフが組み替えられます。
5月、6月のモチーフでしたので、あと1か月間のセットです。

石膏像はメディチとブルータス。
そして静物モチーフにもメディチ像が組み込まれています。
今回のセット担当が狙ったのか?ミケランジェロ特集!

因みにミケランジェロは、イタリア盛期ルネサンス期の彫刻家、画家、建築家、詩人、社会活動家で、西洋美術史上のあらゆる分野に、大きな影響を与えた芸術家です。
そのミケランジェロ作のメディチ像を紹介しましょう。
(同じくセットされている、ミケランジェロ作のブルータス像の紹介はそのうちまた☆)

写真左の人がヌムール公ジュリアーノ・デ・メディチ。(1479年3月12日~1516年3月17)
石膏像メディチの原型です。
そして写真右はウルビーノ公ロレンツォ・デ・メディチ。(1492年9月12日~1519年5月4日)

ジュリアーノは37歳の若さで、ロレンツォは26歳で亡くなっています。
若くして没した二人を悼んでそれぞれの兄であり叔父にあたるローマ教皇レオ10世は、彼らの墓廟の制作をミケランジェロへ依頼したそう。
この二人の像はメディチ家礼拝堂(フィレンツェのサン・ロレンツォ聖堂に付属する、「新聖具室」と「君主の礼拝堂」と呼ばれる2棟の建物の総称)にあるのですが、この新聖具室の設計、ジュリアーノとロレンツォの彫刻、新聖具室に葬られるメディチ家の主要な一族の霊廟のための彫刻群をつくりました。

因みにミケランジェロの最高傑作の一つの「新聖具室」と対を成す形となっている「旧聖具室」はブルネレスキとドナテッロによるもの。
ドナテッロは石膏像になっているジョルジョやガッタメラータを作った人ですね。
美大受験生には御馴染の人達です。

石膏デッサンは人物の構造学習や、陰影法の学習に最適です。
しかし石膏像をデッサン教材としてだけで見るには勿体ない!
偉大な美術家が作ったその時代を感じて歴史もデッサンしてくださいね。
追及する楽しさが違ってきます。