2021.10.06

模擬試験がありました。

今年度2回目の模擬試験が9月にありました。
春の模試と同様に実技(鉛筆デッサン)、学科(英語・国語)の3科目でしたが、やはり夏期講習会を頑張り、経験を積み重ねてきた成果の見える作品が多い試験となりました。
その中から秀作2点のコメントと評価を紹介しましょう。

左-昼間部生Aさんの作品
画面の水と手のポーズは、想像した世界に入り切れているからこそつくれる素晴らしい構図です。しかし画面全面への描き込みが単調なことから、グレーに染まってしまっています。明度対比を利用して水の煌めきや透明感を表し、澱みのない印象の画面にできると良かったでしょう。また課題条件にある「50文字以内の言葉」は、もっと積極的に自己表現の要素として活用できると良かったのですが、あえて少ない文字数にしたのであれば、その一言でインパクトを与えられるようなレイアウトにすると意味のあるものとなったでしょう。尚、レタリングの良し悪しで作品イメージが決定してしまいます。上手くできるように練習をしましょう。

右-夜間部生Bさんの作品
見る人をわくわくさせる狙いと仕掛けで面白く楽しい作品に仕上げられました。文字の扱いなんて最高に面白いですね!制作者自身が心躍らせながら作画しているように思える作品は、出題者や採点者もうれしくなってくるものです。しかしその発想を形にするための表現力は少し物足りないのが実際。細部の描写密度を高めてハーフトーンの範囲を増やして形を繋げ、質幅を広げたアプローチで存在感のあるデッサンに仕上げていけるとよかったでしょう。またマニキュアが塗られた爪は今回の世界観を演出する上で役立っているようですが、黒塗りだからなのか指の向きや立体感が表現できていないのは問題。受験生はおしゃれをしたい年頃。でもマニキュアやネイルアートや長い爪は入試課題によって不利になることがありますので、ちゃんと切りそろえた普通の爪にしておいた方が良いでしょう。
 
作品写真の下にある表は、作品の総合評価と項目評価についてA~Eのランキングです。
例えばフィギュアスケートの採点方法ではジャンプ~何点、着地~何点、スピン~何点など、様々な項目の合計点で順位が出るように、入試絵画の採点も様々な項目の評価から総合評価が出ます。
たまに絵を学んだことのない人から「絵は雰囲気が良ければいいんでしょ?」的な言動を耳にすることもありますが、そんなに甘くないのが現実。
専門的な指導で絵画の基礎を学び、経験を積み重ねていくことが美大合格の道を作っていくのです。

次の模擬試験は11月。
実技2科目、学科2科目です。
頑張れ!受験生!