2024.09.30

解説 『クロッキー』

アトリエヴィーナスの開校以来続いてきたヌードクロッキー会。
コロナ禍の数年間は中止となっていましたが今年度から再開しました。
アトリエヴィーナス在籍生であれば無料で受けられることから、毎回受験生と一般絵画教室の生徒で賑わっています。

『クロッキー』 という言葉は絵画用語でよく聞いたり使ったりする中で、
『スケッチ』 や 『デッサン』 と、どのように違うのかを知らない人も少なくないはず。
そこで簡単に解説したいと思います。

〇クロッキー
フランス語の「croquis」が語源で、日本語に訳すと「速写(速写画)」と言い、対象を素早く描く方法。

〇スケッチ
英語の「sketch」が語源で、日本語に訳すと「写生」と言い、基本的には素描に近く、対象を大まかに描写する方法。

〇デッサン
フランス語の「dessin」が語源で、日本語に訳すと「素描」と言い、輪郭や質感や立体感などについて対象を時間をかけて正確に描く方法。

このように細かく定義分けしていますが、フランス語のcroquis(クロッキー)とは"写生" を意味していて英語にすると"スケッチ"。
フランス語のdessin(デッサン)は"素描"や"線を引く"の意味から、英語の"スケッチ"と同意。結局海外だとそれぞれの言葉に明確な境界はないようです。

要するにクロッキーもスケッチもデッサンも限られた時間の中で、対象物をそれらしく見えるように描き完結させることがそれぞれの描画法なのですね。

画像は巨匠達のクロッキーです。
それぞれの画家や彫刻家の本作の良さはご承知のとおりですが、作者の性格や着眼点や描いている時の息遣いまでも生々しく感じるクロッキーは、本作よりも好きな人は多いはず。
そんなクロッキーやエスキースや下絵を主題とした展覧会が開催されることも多くなりましたので、機会がありましたら是非観に行ってみてください。

◎クロッキーは、短時間で多くの制作を積み重ねられることから、特徴を掴みとる能力が上がるとされています。
ヌードクロッキーに限らず、身の回りにあるものをクロッキーする習慣を身に付けてみましょう。